刑法
明治四十年法律第四十五号 ・ 法律 ・ 公布日:
刑法(明治四十年法律第四十五号)の条文を全文検索・閲覧できます。 RegSearch は e-Gov 法令検索より使いやすい UI で、定義語の即時確認、 下位法令へのワンクリック遷移、条文付箋、メモ機能などを提供する法律検索サービスです。
条文
第一条 (国内犯)
この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。
第二条 (すべての者の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
第三条 (国民の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
第三条の二 (国民以外の者の国外犯)
この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
第四条 (公務員の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用する。
第四条の二 (条約による国外犯)
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第二編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。
第五条 (外国判決の効力)
外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。
第六条 (刑の変更)
犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
第七条 (定義)
この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。
この法律において「公務所」とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。
第七条の二
この法律において「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。
第八条 (他の法令の罪に対する適用)
この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。
第九条 (刑の種類)
死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
第十条 (刑の軽重)
主刑の軽重は、前条に規定する順序による。
同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。
第十一条 (死刑)
死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。
第十二条 (拘禁刑)
拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
拘禁刑は、刑事施設に拘置する。
拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
第十三条
削除
第十四条 (有期拘禁刑の加減の限度)
死刑又は無期拘禁刑を減軽して有期拘禁刑とする場合においては、その長期を三十年とする。
有期拘禁刑を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。
第十五条 (罰金)
罰金は、一万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、一万円未満に下げることができる。
第十六条 (拘留)
拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。
拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
第十七条 (科料)
科料は、千円以上一万円未満とする。
第十八条 (労役場留置)
罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。
科料を完納することができない者は、一日以上三十日以下の期間、労役場に留置する。
罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年を超えることができない。科料を併科した場合における留置の期間は、六十日を超えることができない。
罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。
罰金については裁判が確定した後三十日以内、科料については裁判が確定した後十日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。
第十九条 (没収)
次に掲げる物は、没収することができる。
没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。
第十九条の二 (追徴)
前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
第二十条 (没収の制限)
拘留又は科料のみに当たる罪については、特別の規定がなければ、没収を科することができない。ただし、第十九条第一項第一号に掲げる物の没収については、この限りでない。
第二十一条 こう勾(未決留日数の本刑算入)
未決留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。
第二十二条 (期間の計算)
月又は年によって期間を定めたときは、暦に従って計算する。
第二十三条 (刑期の計算)
刑期は、裁判が確定した日から起算する。
拘禁されていない日数は、裁判が確定した後であっても、刑期に算入しない。
第二十四条 (受刑等の初日及び釈放)
受刑の初日は、時間にかかわらず、一日として計算する。時効期間の初日についても、同様とする。
刑期が終了した場合における釈放は、その終了の日の翌日に行う。
第二十五条 (刑の全部の執行猶予)
次に掲げる者が三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
前に拘禁刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が二年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、この項本文の規定により刑の全部の執行を猶予されて、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
第二十五条の二 (刑の全部の執行猶予中の保護観察)
前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。
第二十六条 (刑の全部の執行猶予の必要的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
第二十六条の二 (刑の全部の執行猶予の裁量的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
第二十六条の三 (刑の全部の執行猶予の取消しの場合における他の刑の執行猶予の取消し)
前二条の規定により拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑(次条第二項後段又は第二十七条の七第二項後段の規定によりその執行を猶予されているものを除く。次条第六項、第二十七条の六及び第二十七条の七第六項において同じ。)についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
第二十七条 (刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
前項の規定にかかわらず、刑の全部の執行猶予の期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、同項の刑の言渡しは、当該期間が経過した日から第四項又は第五項の規定によりこの項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この項及び次項において「効力継続期間」という。)、引き続きその効力を有するものとする。この場合においては、当該刑については、当該効力継続期間はその全部の執行猶予の言渡しがされているものとみなす。
前項前段の規定にかかわらず、効力継続期間における次に掲げる規定の適用については、同項の刑の言渡しは、効力を失っているものとみなす。
第二項前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。
第二項前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
第二十七条の二 (刑の一部の執行猶予)
次に掲げる者が三年以下の拘禁刑の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。
前項の規定によりその一部の執行を猶予された刑については、そのうち執行が猶予されなかった部分の期間を執行し、当該部分の期間の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から、その猶予の期間を起算する。
前項の規定にかかわらず、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時において他に執行すべき拘禁刑があるときは、第一項の規定による猶予の期間は、その執行すべき拘禁刑の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から起算する。
第二十七条の三 (刑の一部の執行猶予中の保護観察)
前条第一項の場合においては、猶予の期間中保護観察に付することができる。
前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、第二十七条の五第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。
第二十七条の四 (刑の一部の執行猶予の必要的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十七条の二第一項第三号に掲げる者であるときは、この限りでない。
第二十七条の五 (刑の一部の執行猶予の裁量的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
第二十七条の六 (刑の一部の執行猶予の取消しの場合における他の刑の執行猶予の取消し)
前二条の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
第二十七条の七 (刑の一部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、その拘禁刑を執行が猶予されなかった部分の期間を刑期とする拘禁刑に減軽する。この場合においては、当該部分の期間の執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日において、刑の執行を受け終わったものとする。
前項の規定にかかわらず、刑の一部の執行猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、当該期間が経過した日から第四項又は第五項の規定によりこの項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この項及び次項において「効力継続期間」という。)、前項前段の規定による減軽は、されないものとする。この場合においては、同項の刑については、当該効力継続期間は当該猶予された部分の刑の執行猶予の言渡しがされているものとみなす。
前項前段の規定にかかわらず、効力継続期間における次に掲げる規定の適用については、同項の刑は、第一項前段の規定による減軽がされ、同項後段に規定する日にその執行を受け終わったものとみなす。
第二項前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられたときは、同項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。
第二項前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、同項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
第二十八条 (仮釈放)
拘禁刑に処せられた者に改の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。
第二十九条 (仮釈放の取消し等)
次に掲げる場合においては、仮釈放の処分を取り消すことができる。
刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その刑について仮釈放の処分を受けた場合において、当該仮釈放中に当該執行猶予の言渡しを取り消されたときは、その処分は、効力を失う。
仮釈放の処分を取り消したとき、又は前項の規定により仮釈放の処分が効力を失ったときは、釈放中の日数は、刑期に算入しない。
第三十条 (仮出場)
拘留に処せられた者は、情状により、いつでも、行政官庁の処分によって仮に出場を許すことができる。
罰金又は科料を完納することができないため留置された者も、前項と同様とする。
第三十一条 (刑の時効)
刑(死刑を除く。)の言渡しを受けた者は、時効によりその執行の免除を得る。
第三十二条 (時効の期間)
時効は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによって完成する。
第三十三条 (時効の停止)
時効は、法令により執行を猶予し、又は停止した期間内は、進行しない。
拘禁刑、罰金、拘留及び科料の時効は、刑の言渡しを受けた者が国外にいる場合には、その国外にいる期間は、進行しない。
第三十四条 (時効の中断)
拘禁刑及び拘留の時効は、刑の言渡しを受けた者をその執行のために拘束することによって中断する。
罰金、科料及び没収の時効は、執行行為をすることによって中断する。
第三十四条の二 (刑の消滅)
拘禁刑以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
第三十五条 (正当行為)
法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
第三十六条 (正当防衛)
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(全301条のうち最初の50条を表示)