労働組合法
昭和二十四年法律第百七十四号 ・ 法律 ・ 公布日:
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条文
第一条 (目的)
この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
第二条 (労働組合)
この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
第三条 (労働者)
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。
第四条
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第五条 (労働組合として設立されたものの取扱)
労働組合は、労働委員会に証拠を提出して第二条及び第二項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。但し、第七条第一号の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない。
労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
第六条 (交渉権限)
労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。
第七条 (不当労働行為)
使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
第八条 (損害賠償)
使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。
第九条 (基金の流用)
労働組合は、共済事業その他福利事業のために特設した基金を他の目的のために流用しようとするときは、総会の決議を経なければならない。
第十条 (解散)
労働組合は、左の事由によつて解散する。
第十一条 (法人である労働組合)
この法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによつて法人となる。
この法律に規定するものの外、労働組合の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
労働組合に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ第三者に対抗することができない。
第十二条 (代表者)
法人である労働組合には、一人又は数人の代表者を置かなければならない。
代表者が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、法人である労働組合の事務は、代表者の過半数で決する。
第十二条の二 (法人である労働組合の代表)
代表者は、法人である労働組合のすべての事務について、法人である労働組合を代表する。ただし、規約の規定に反することはできず、また、総会の決議に従わなければならない。
第十二条の三 (代表者の代表権の制限)
法人である労働組合の管理については、代表者の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第十二条の四 (代表者の代理行為の委任)
法人である労働組合の管理については、代表者は、規約又は総会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
第十二条の五 (利益相反行為)
法人である労働組合が代表者の債務を保証することその他代表者以外の者との間において法人である労働組合と代表者との利益が相反する事項については、代表者は、代表権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
第十二条の六 (一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条(第八条に規定する場合を除く。)の規定は、法人である労働組合について準用する。
第十三条 (清算中の法人である労働組合の能力)
解散した法人である労働組合は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
第十三条の二 (清算人)
法人である労働組合が解散したときは、代表者がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は総会において代表者以外の者を選任したときは、この限りでない。
第十三条の三 (裁判所による清算人の選任)
前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、清算人を選任することができる。
第十三条の四 (清算人の解任)
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、清算人を解任することができる。
第十三条の五 (清算人及び解散の登記)
清算人は、解散後二週間以内に、主たる事務所の所在地において、その氏名及び住所並びに解散の原因及び年月日の登記をしなければならない。
清算中に就職した清算人は、就職後二週間以内に、主たる事務所の所在地において、その氏名及び住所の登記をしなければならない。
第十三条の六 (清算人の職務及び権限)
清算人の職務は、次のとおりとする。
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
第十三条の七 (債権の申出の催告等)
清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第一項の公告は、官報に掲載してする。
第十三条の八 (期間経過後の債権の申出)
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、法人である労働組合の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
第十三条の九 (清算中の法人である労働組合についての破産手続の開始)
清算中に法人である労働組合の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
清算人は、清算中の法人である労働組合が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
前項に規定する場合において、清算中の法人である労働組合が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。
第十三条の十 (残余財産の帰属)
解散した法人である労働組合の財産は、規約で指定した者に帰属する。
規約で権利の帰属すべき者を指定せず、又はその者を指定する方法を定めなかつたときは、代表者は、総会の決議を経て、当該法人である労働組合の目的に類似する目的のために、その財産を処分することができる。
前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。
第十三条の十一 (特別代理人の選任等に関する事件の管轄)
次に掲げる事件は、法人である労働組合の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第十三条の十二 (不服申立ての制限)
法人である労働組合の清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第十三条の十三 (裁判所の選任する清算人の報酬)
裁判所は、第十三条の三の規定により法人である労働組合の清算人を選任した場合には、法人である労働組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人の陳述を聴かなければならない。
第十四条 (労働協約の効力の発生)
労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。
第十五条 (労働協約の期間)
労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。
三年をこえる有効期間の定をした労働協約は、三年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
前項の予告は、解約しようとする日の少くとも九十日前にしなければならない。
第十六条 (基準の効力)
労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。
第十七条 (一般的拘束力)
一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。
第十八条 (地域的の一般的拘束力)
一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第二項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。
労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる。
第一項の決定は、公告によつてする。
第十九条 (労働委員会)
労働委員会は、使用者を代表する者(以下「使用者委員」という。)、労働者を代表する者(以下「労働者委員」という。)及び公益を代表する者(以下「公益委員」という。)各同数をもつて組織する。
労働委員会は、中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする。
労働委員会に関する事項は、この法律に定めるもののほか、政令で定める。
第十九条の二 (中央労働委員会)
国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く。
中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする。
中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、第五条、第十一条、第十八条及び第二十六条の規定による事務、不当労働行為事件の審査等(第七条、次節及び第三節の規定による事件の処理をいう。以下同じ。)に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法第三十五条の二及び第三十五条の三の規定による事務その他法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる。
第十九条の三 (中央労働委員会の委員の任命等)
中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十五人をもつて組織する。
使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち四人については、行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。以下この項、次条第二項第二号及び第十九条の十第一項において同じ。)の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち四人については、行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第二号に規定する職員(以下この章において「行政執行法人職員」という。)が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
公益委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから、公益委員を任命することができる。
前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその公益委員を罷免しなければならない。
公益委員の任命については、そのうち七人以上が同一の政党に属することとなつてはならない。
第十九条の四 (委員の欠格条項)
拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者は、委員となることができない。
次の各号のいずれかに該当する者は、公益委員となることができない。
第十九条の五 (委員の任期等)
委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。
委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き在任するものとする。
第十九条の六 (公益委員の服務)
常勤の公益委員は、在任中、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
非常勤の公益委員は、在任中、前項第一号に該当する行為をしてはならない。
第十九条の七 (委員の失職及び罷免)
委員は、第十九条の四第一項に規定する者に該当するに至つた場合には、その職を失う。公益委員が同条第二項各号のいずれかに該当するに至つた場合も、同様とする。
内閣総理大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
前項の規定により、内閣総理大臣が中央労働委員会に対して、使用者委員又は労働者委員の罷免の同意を求めた場合には、当該委員は、その議事に参与することができない。
内閣総理大臣は、公益委員のうち六人が既に属している政党に新たに属するに至つた公益委員を直ちに罷免するものとする。
内閣総理大臣は、公益委員のうち七人以上が同一の政党に属することとなつた場合(前項の規定に該当する場合を除く。)には、同一の政党に属する者が六人になるように、両議院の同意を得て、公益委員を罷免するものとする。ただし、政党所属関係に異動のなかつた委員を罷免することはできないものとする。
第十九条の八 (委員の給与等)
委員は、別に法律の定めるところにより俸給、手当その他の給与を受け、及び政令の定めるところによりその職務を行うために要する費用の弁償を受けるものとする。
第十九条の九 (中央労働委員会の会長)
中央労働委員会に会長を置く。
会長は、委員が公益委員のうちから選挙する。
会長は、中央労働委員会の会務を総理し、中央労働委員会を代表する。
中央労働委員会は、あらかじめ公益委員のうちから委員の選挙により、会長に故障がある場合において会長を代理する委員を定めておかなければならない。
第十九条の十 (地方調整委員)
中央労働委員会に、行政執行法人とその行政執行法人職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は第二十四条の二第五項の規定による手続に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに厚生労働大臣が任命する。
第十九条の五第一項本文及び第二項、第十九条の七第二項並びに第十九条の八の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。
第十九条の十一 (中央労働委員会の事務局)
中央労働委員会にその事務を整理させるために事務局を置き、事務局に会長の同意を得て厚生労働大臣が任命する事務局長及び必要な職員を置く。
事務局に、地方における事務を分掌させるため、地方事務所を置く。
地方事務所の位置、名称及び管轄区域は、政令で定める。
第十九条の十二 (都道府県労働委員会)
都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く。
都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十三人、各十一人、各九人、各七人又は各五人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各二人を加えた数のものをもつて組織することができる。
使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する。
公益委員の任命については、都道府県労働委員会における別表の上欄に掲げる公益委員の数(第二項ただし書の規定により公益委員の数を同項の政令で定める数に二人を加えた数とする都道府県労働委員会にあつては当該二人を加えた数)に応じ、それぞれ同表の下欄に定める数以上の公益委員が同一の政党に属することとなつてはならない。
公益委員は、自己の行為によつて前項の規定に抵触するに至つたときは、当然退職するものとする。
第二十条 (労働委員会の権限)
労働委員会は、第五条、第十一条及び第十八条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する。
第二十一条 (会議)
労働委員会は、公益上必要があると認めたときは、その会議を公開することができる。
労働委員会の会議は、会長が招集する。
労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各一人以上が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。
議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
第二十二条 (強制権限)
労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員(以下単に「職員」という。)に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
労働委員会は、前項の臨検又は検査をさせる場合においては、委員又は職員にその身分を証明する証票を携帯させ、関係人にこれを呈示させなければならない。
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